ちょっと変わった日本語カバーに挑戦

 今回は、ちょっと変わった日本語カバーに挑戦します。日本のポップスの中には、日本語の歌詞の中に突然英語の歌詞がズラズラ出てきて、英語を苦手とする人をびっくりさせてしまうことがあります。カラオケなんかで、曲の途中で歌い手が急に歌えなくなったり、それを聴く側も、英語の歌詞の意味を理解するのに骨を折ってしまいます。その曲を作った人が悪いとは思いませんが、もっと気楽に両者が楽しめたらよかったのにと思う時があります。
 そこで、今回は、小林明子さんの『恋におちて-Fall in Love-』の英語で埋め尽くされる2つのフレーズを部分的に日本語カバーしてみようと思います。ご存知のとおり、この曲の作詞者は、恐れ多くも湯川れい子さんという日本の大ベテランの作詞家の一人です。失礼の無いように、日本語に訳したつもりですが、万が一、私がしくじった場合も考えて、ここで前もってお詫び申し上げておきます。(私は、この曲の歌詞のようなことを実体験していないので、オリジナル歌詞の内容を勘違いしているところがあるかもしれません。それによるオリジナル歌詞についての、解釈の間違いおよび訳し間違いが起こりうると考えられます。その点についても、ここであらかじめお詫び申し上げておきます。)
 まず、二番の歌詞となる英文を訳して歌ってみましょう。



私の吐息 白いバラに
変えて飾るわ
貴方のために
闇に抱かれて 願うことがあるの
貴方に想われたい



 というふうな感じになりました。一番の歌詞とは、微妙に似ていて違う感じになりました。若干意訳していますが、その英文から伝わってくる悲哀さをメロディーに乗せてみたかったので、いくつか表現を変えて工夫してみました。そんなわけで、私の翻訳はオリジナルの歌詞とほとんど合っていません。けれども、女性の妄想っぽいところとかは、やはり表現しないではおけない箇所であると思われました。
 さて、サビのくりかえしの最後となる一連の英文は、以下のように訳して歌ってみました。



憶えてますか
あの頃を
気の向くままに
抱きあったことを
愛の証(あかし)を
失って
私が罪を背負ったの


引き止め 抱きしめたいだけの
まさに恋してる女
まさに恋してる女



 というふうな感じになりました。これもまた、若干意訳しております。内容的に十八歳未満おことわりの訳詞になってしまいましたが、そこは『不倫』というある種の大人の文化を表現するためには仕方ありませんでした。でも、そのような大人の負うべき責任にも言及していますので、道徳的には問題ないと私は判断しました。
 今回の私の意図は、英語アレルギーを持っている人にそれを感じさせない特効薬を示すことにありました。英語が多少わからなくても、大人だったら、大人らしく、大きな心を持とうじゃありませんか!と主張したいと思いました。もしもあなたが子供の場合は、大人に成長するステップの一つと考えてもらえればいいと思いました。
 私個人としては、英文の歌詞を改めて日本語に訳すことによって、意味内容が少し明確になりました。私なりに、今までモヤモヤしていた点に、少しだけ光が当たったような感じになったわけです。