年末の稀有な出来事

 先日の大晦日に、たまたま私はNHKテレビのお昼のニュースを観ていました。なぜその時間に私がテレビのニュースを観ていたのかと申しますと、明日が元旦で、コロナの感染状況がどうなったかなとか、新規感染者は増えたかなとか、オミクロン株はどうなったかなとかと、興味本位で新たな情報を知りたくなったからでした。おそらく、その日のこの時間は、視聴率の谷間かもしれないと気軽に考えて、何か面白いことでも見つからないかなと思いつつテレビを観ていました。
 すると、一番最初のニュースは、『大雪に警戒』というニュースでした。テレビの画面右上に2行の短いテロップが出されていました。「日本海側中心に雪強まる」「交通影響など警戒」という短い2行でした。「交通影響など警戒?」と口に出してみて、私は一瞬「え?」と思いました。再度、テレビ画面のテロップを見直して、紙にメモってみました。鈍感な私は、一瞬何のことなのかな、と思いました。そして、一人で勝手に面白いことを見つけてしまったと思いました。
 そうか、と私はそれから一人で次のように納得しました。これは「交通障害などに警戒」とか「交通に影響、要警戒」みたいな意味のことを伝えようとした文言です。テロップで『交通影響』や『警戒』という要点となる言葉が使われています。なので、視聴者がそれを観て、ニュースで伝えたい内容を誤解することは、まず無いなと思いました。耳から入ってくるニュースのアナウンスにも、これといって間違いは無かったようです。だから、ミスや非難に当たらないような小さなことを見つけて、一人で面白がっている私のほうが、ずっと変だったのです。あるいは、そのようなテロップの文言が見つかることのほうが、ずっと珍しくて、稀有なことだったと言えましょう。再三、申しますが、視聴者が誤解を受けるようなものではないので、さして問題にはならなかったと思います。
 ただ、その時の私は、何か面白いことを見つけたな、と思いました。そのせいか、いつもとは、ちょっと考えを変えてみようと思いました。そう言えば、前回の大晦日は、ほとんど『NHK紅白歌合戦』を観ていなかったし、ちょっと目が覚めて『ゆく年くる年』を観ていただけだったことを思い出しました。そこで、今回の大晦日は、『NHK紅白歌合戦』を最初からずっとチャンネルを換えないで観ることにしました。そして、『ゆく年くる年』の放送が終わるまでは、ずっとテレビを観ておこうと思いました。