不安と恐怖の中で、今考えたいこと

 最近テレビを観ていると『PCR検査の拡充』と『感染者数の増加』や、『Go to キャンペーン』とその『東京外し』など、それらに対する批判や不安で世の中が満ちているように感じられます。そしてまた、パンデミック医療崩壊危機の第2波が来ているように主張する専門家さんもいらっしゃいます。
 ところで、私たち日本人は、ウィルス学の学者さんの話を聞いて、その知識を理解しているはずです。にもかかわらず、私たちは何も学んでいないようなのです。私たちの心の中の不安と恐怖は、ウィルスというものが『究極の寄生体』であることをわからなくしています。いまだに、新型コロナウィルスの感染が、狂犬病の犬のように『人間に無理やりに、かみついてくるもの』とイメージしている人が多いようです。『ゾンビ』や『遊星からの物体X』のように、人間に襲いかかってくるのが『ウィルスの感染』だと、みんな多かれ少なかれ思っていることでしょう。
 こんなことを申したら、さすがに優等生で良い子の皆様は、ビックリするかもしれません。けれども、現実や真相や真理というものは、大方(おおかた)そんなに複雑怪奇なものではありません。ウィルスに感染力はあっても、ウィルス自体が、人知を超えた驚異的で超自然的な力を持っているわけではないと思います。行政機関の様々な人たちのお願いが、感染防止対策を私たちにお願いしているのは、そのような理由からです。何度もそれを聞かされている私たちは、「そんなことくらいで、ウィルスの脅威から守られるはずがない。」とか「そんなことくらいで、これまで与えられてきた不安や恐怖から逃れられるわけがない。」などと、勝手に判断してしまいがちです。その疑いに、理性的な根拠はなく、感情的なものに過ぎないことは明らかなのですが…。
 私たち人間の一人一人が、自ら生理的にウィルスを吸って、あるいは、ウィルスを吐き出して、他者がそのウィルスを生理的に呼吸して、感染が広がります。または、私たち人間の一人一人が、ウィルスの付いた手で何かを触って、その何かを他者が触って、感染が広がります。すなわち、私たち人間が抱いている『新型コロナウィルスに対する不安と恐怖』は、私たち人間の一人一人の、これまで当たり前だった行動によって引き起こされているものであると思います。決して、そのウィルス自体が人類滅亡を意図して恐怖や脅威を私たちに与えているのではないと、私は思います。そのような感染のシナリオの途中に、『お互いにマスクをすること』や『手洗い』や『消毒液』や『社会的距離』や『透明なビニールシートやアクリル板』などがはさまると、直接人から人への感染が邪魔されます。それも事実だと思います。
 それでは、現在の日本で何が起きているのかを推測してみましょう。私の意見(持論)は、こうです。日本の行政機関は、新型コロナウィルスの封じ込めを行いました。しかし、このウィルスの感染拡大は、私たち一人一人の涙ぐましい我慢と努力があったにもかかわらず、日本全国に広がってしまいました。ただし、このウィルスは、主に人間の体内でしか増殖(活性化)することができず、人間の体外では時間の経過と共に物質化(不活性化)してしまいました。あるいは、このウィルス自体がたんぱく質とリボ核酸(RNA)に分解してしまい、その大量の残骸が日本中あちこちに散らばってしまったと考えられます。
 ここで、また、ウィルス学者さんの知識をお借りいたしましょう。ウィルスは、『生物と無生物との中間に位置する生命体』なのだそうです。生きている(活性化)のか、死んでいる(非活性化)のかすらわからない、他の生物に寄生して生物のように増殖するかと思えば、消毒液や胃酸で分解(不活性化)して、たんぱく質やリボ核酸(RNA)やそれらの『かけら』すなわち残骸になって、物質化してしまう。と、そのように私は理解しています。
 したがって、私はこう推測します。PCR検査は、ウィルスの遺伝子を調べて、検体に当該のウィルスがいるかどうかを調べることができます。ただし、そのウィルスが活性化しているか不活性化しているのかはわかりません。だから、連日感染者数が増大しても、新型コロナウィルス自体が私たち人間の体内で異常に増殖しているのか、それとも、増殖していない不活性化した物質になってしまったのかまではわからないことになります。ゲノムを解析してRNAの変異などが確認されない限り、後者の状態であることが濃厚であると言えます。不活性化したウィルスの残骸が、ヒトとヒトとの感染を繰り返している、という可能性も考えられると私は思っています。
 しかし、だからと言って、油断は禁物です。ウィルスは、ただの物質に変化したとしても、人体に対して異物であることに変わりはありません。抗体や免疫ができない限りは、人体に害を及ぼすことに違いはありません。ですから、これまでの感染症状(せきや発熱など)が出なくなるわけではないと思います。別の例として、化学物質のアスベストが肺がんなどを引き起こすことを、是非とも思い出してほしいと思います。
 以上いろいろと理屈を述べてきましたが、私がこうしたことを述べ出したことには、それなりの理由があります。東京都で感染者数が段階的に増え始めた3~5日後に、私が生活している地方でも、何か空気がホコリっぽく感じられるようになりました。確かに、私の周りでも、風邪気味の人が一時、多かったりしました。しかし、それを全て、新型コロナウィルスの感染のせいにするのは、やはり恣意的で不安なものを感じます。なぜならば、発熱症状は私にはみられず、心拍数の異常な上昇もみられなくなりました。最近、風邪気味の人から何度も目の前でゴホンと咳(せき)をされて、何らかの病原体を移されたはずなのに、私の体に異常は認められません。咳が全く出ないわけではありませんが、それほど咳をすることが多くなったわけでもありません。そして、テレビなどのメディアでは知ることのできない何かを感じ、考えたりしています。例えば、ウィルスが不活性化して物質化することを考えると、その残骸がモノに付着して、モノとモノとの接触感染(付着)を繰り返して、日本中もしくは世界中の、あらゆるモノに付着してしまいつつあるとも考えられます。しかし、それはずっと未来になってから研究成果が発表される未来の感染症学が扱う事柄なので、未来の歴史を変えないためにも、私はここで筆を置くことにいたしましょう。