最も怖いと思ったテレビの映像シーン

 以前に述べましたが、東京生まれで東京育ちの私は、少しばかり怖いテレビ映像を見ても免疫があって動揺しません。しかし、そんな私でも、「さすがに、これは怖すぎる。」と思う映像シーンがありました。
 2010年4月4日にフジテレビ系列で放送された『世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・春 〜人気番組競演編〜』のオムニバス第1話『ニュースおじさん、ふたたび』で、香里奈さんがフジテレビの某朝の人気番組の女性スタッフの役を演じていました。事故現場などにいち早く駆けつけて、実況を報告するニュースキャスターの役を任されていたのですが、通称『ニュースおじさん』という不思議な人物を知ることとなります。そのおじさんは、誰よりも先に事故現場に現れるという特殊能力を持っているのらしいのです。そのうちに、その『ニュースおじさん』と直接出会ってしまう、という話でした。
 私は、その『ニュースおじさん』自体には、それほど恐怖を感じませんでした。話自体もフィクションに思えたので、テレポーテイションとか分身の術とかもできるんだな、と感心してそのテレビを観ていました。
 ところが、その劇中の朝の人気番組で、その女性スタッフの一人がバスの事故で亡くなったと報じられて、香里奈さんの顔写真がテレビに映ります。また、その劇中で、それとは別に放送されたテレビの、別の事故現場の映像に、亡くなったはずの香里奈さんの姿が立っていました。その変わり果てた姿が、私には物凄く怖かったのです。
 バスの事故で亡くなる前に、あの『ニュースおじさん』から不思議な能力を「契約」として譲り受けることができたらしいのです。けれども、テレビに映しだされる事故現場などに、まるで亡霊のように現れて立っている『ニュースおばさん』の姿は、それはそれは恐ろしいものに思われました。
 この映像シーンをテレビで観て以来、私は、香里奈さんをテレビのドラマなどでたまたま見かけると、ちょっと恐怖をおぼえます。きっと、あの劇中の映像シーンを思い出してしまうからなのかもしれません。ネットなどで、香里奈さんの写真とか画像等を見るだけで、あの映像の記憶がよみがえってきます。でも、日常生活に支障をきたすほどの危害を与えられたわけではありませんから、それほど気にしないことにしています。
 私は、眠っている時に、いろんなパターンの怖い夢、もしくは、悪夢を見ることがあります。私にとっては、あの映像シーン以外は、香里奈さんのたとえどんな映像でも画像でも平然として直視できると思います。しかし、そんな私の眠る夢の中に、香里奈さんの「怖い」あの姿だけは出てきて欲しくないな、と思うのです。