韓国の意外なそっくりさん

 韓国のポップス(K−POP)を話題にしたついでに、ちょっとだけ触れてみたいことがあります。今から何年か前に、昼間の作業が延びたために、遅いお昼のご飯を食べる羽目になった日がありました。その食事をしながらテレビを見ていました。偶然テレビでは、フジテレビの系列の韓流ドラマをやっていました。『天国の樹』というドラマを見ていたのですが、どうも主人公の韓国の若い女優さんが気になっていました。その女優さんはパク・シネ(Park Shin Hye)という名前でしたが、顔やその表情や感じが私の母の若い頃にそっくり似ていました。
 私の母に似ている有名人やタレントというのは珍しく、少なくとも日本では見当たりません。パク・シネさん以外に居るかと言うと、今のところ居ないようです。それで、私はその『天国の樹』というドラマに興味を引かれて、テレビの放送が最終回を迎えた後に、レンタル・ビデオ屋さんに借りに行きました。そしてさらに、そのドラマのDVD−BOXをレンタル・ビデオ屋さんから注文して入手しました。
 その『天国の樹』という連続テレビドラマは、それ以外の見どころが幾つかありました。韓流ドラマではありましたが、そのスタッフとキャストが日韓合同になっていました。そして、ドラマの舞台が長野と東京でした。偶然にも、私がよく知っている場所である、この日本国内の二つの地域でロケが行われました。パク・シネさんは、ハナという日本人の役をやりました。その日本人の若い娘は、長野に住んでいて、高校を卒業すると東京へ出て行くというストーリーになっていました。実は、私の母も高校を卒業後に長野の実家を離れて東京へ出て行きました。言うまでもないことですが、それは偶然の一致に過ぎません。
 もっとも、パク・シネさんの役のハナを日本人の視聴者から見ると、あんな日本人など居るわけが無いと思ったことでしょう。韓国人の視聴者から見ると、それほど違和感は無かったかもしれません。けれども、日本の視聴者の側からは、パク・シネさんに顔などが似ている有名人やタレントがまず見当たらなかったこともあり、また、言葉に異国なまりが少々あったりして、彼女を日本人として見ては、なじめない点がいろいろとあったかもしれません。
 ところが、私は、そのパク・シネさんが(偶然にも)若い頃の私の母に似ていたために、ちょっと違った視点でこのドラマを見ていた感じがします。パク・シネさんの顔のいろいろな表情などを見ているうちに、私は若い頃の母にそっくりだなあ、とそのことばかりに気を取られてしまいました。そのために、ドラマのおかしな点をしばしば見落としてしまい、日本人視聴者が変だと感じるところにあまり多く気づいていませんでした。
 私は、その『天国の樹』で初めてパク・シネさんを見たのですが、今日ではインターネットで、画像や動画でパク・シネさんを見ることがあります。つい最近も、韓国の『バラードの皇帝』と呼ばれるシン・スンフンさんの動画を検索していたら、『天国の樹』の挿入歌にたどり着きました。彼がそれを唄っていたからです。それがきっかけで次に、パク・シネさんの動画を見つけたのですが、ここで一言だけ述べておきます。彼女のファンの方々に失礼かもしれませんが、私はパク・シネさんの動画を見るのが、ものすごく恥ずかしいのです。おそらくパク・シネさんが私の母の若い頃にそっくりだったのが、その原因だとは思うのですが、そういう思いをしても、やっぱり彼女の動画や画像を見てしまいます。恥ずかしいと感じる私自身を知ることが、そんな私にとってある種の快感になっているのかもしれません。