異国の唄 YaYaYa

 前回からの流れからすると、チョ・ソンモさんの"To Heaven"を日本語カバーするところですが、ちょっと趣向をかえてみたいと思います。その曲に関しては、立派な訳詩があるので、あえて私が挑戦することもなかろうと考えました。その代わりと言っちゃあ何ですが、今回は韓国の5人組の女性R&BグループBabyV.O.X(ベィビー・ヴォックス)の”YaYaYa”を日本語カバーしたいと思います。
 日本のお嬢ちゃんたちにとっては、T−araの”YaYaYa”のほうがなじみが深いと思いますが、全くの別の楽曲です。今回私が紹介する曲のほうがテンポがゆっくりで、今風のK−POPらしくないと見られるかもしれません。アジアのどこかの国の曲のパクリかもしれないと思うくらい素直な音楽で、私などは聴けば聴くほど好きになってしまいます。しかし、それが原因だったのか(そんな原因など本当はなかったのですが)、そのアジアのどこかの国である当時の日本では、一部のファンを除いてあまりこの曲のことは知られていなかったようです。チャゲ&飛鳥の『YAH!YAH!YAH!』のほうがずっと知名度が上でした。
 そんなわけで、当時の私もまたBabyV.O.Xのファンではありませんでした。かれこれ十数年前くらいになりますが、あの頃はS.E.S.(エス・イー・エス)とかFin.K.L.(ハングル読みではピンクル)の隠れファンでした。(その辺の事情はいつか別の機会に述べたいと思います。)
 現在では少女時代やKARAが日本では有名ですが、当時はK−POP自体があまり日本に紹介されていませんでした。韓国や台湾で人気のあったCLONE(韓国の男性ダンスグループ)などの扱いはひどいもので、私が買ったCDには訳詩どころか、ハングル(原語)の歌詞カードさえ入っていませんでした。(その代わり当時”Bing Bing Bing”のマキシ・シングルが日本の普通のCDショップで500円で買えましたが…。)しかも、彼らは真面目にヒップホップダンス・ミュージックをやっていたのにもかかわらず、私などの韓国通でない日本人には、とんねるずさんのような歌を出しているお笑いコンビと同じに見られていました。ずいぶんと失礼な勘違いだったと思います。
 さらに、これも何かの間違いだとは思いますが、私はイ・パクサ李博士)さんの”I LOVE FIFA WORLD CUP”を買ってしまいました。でも、CDをせっかく買ったのでそれを聴いてみたところ、アリランやS.O.S.(あのピンク・レディの…)がメドレーで唄われていたので、びっくりしてしまいました。パクりのパクさん(注・彼はパクさんではなくてイさんです。)ではないかと思いましたが、以前から韓国の国内では、韓国の歌謡曲を保護する目的でJ−POPのレコード・CD販売やテレビ放送などが禁止されてきていたので、それも仕方がなかったのかもしません。でも、私はイ・パクサ李博士)さんのおかげで、韓国には『ポンチャック』というものが大衆歌謡の文化としてあることを知りました。このことは、私にとっては大きな収穫でした。
 韓国の女性R&BグループBabyV.O.X(ベィビー・ヴォックス)の話に戻りますが、”YaYaYa”を唄っていた初代のグループは既に解散してしまいました。しかし、この曲自体はとても乗りの良い曲で他の韓国女性グループにカバーされたり、このグループの元メンバーが集まって唄われたりしています。私なんかも、この曲のムービービデオ(MV)を当時のケーブルテレビのアジア・チャンネルで見たことがあって、ビデオに録画したことがありました。UFOのCGが最初に登場する、かなり加工されたMV(でも映像の色彩はキレイです。)でしたが、今とは全く別の意味で心を動かされました。ジェッキーズ(これもいつか別の機会に述べます。)やFin.K.L.もそうですが、今まで知らなかった韓国の若い人たちによる音楽活動の一部(ずいぶんと固い表現ですが)を知って、当時私はかなりのカルチャーショックを受けました。何でわが国日本には、こんな音楽やパフォーマンスがないのだろう。どうしてなんだろう。当時、三十代後半の年齢になっていた私はその理由がわからなくて、一人で悩んでいました。
 事実、日本を除くアジアの国の各地では、当時既にこれらのK−POPは知られていました。しかし、当時の日本ではそうではなかったので、私は東京のあちこちのCDショップのワールド・ミュージックのコーナーに行って、見つからないお目当てのCDを探す羽目になってしまったのでした。(今から考えると、店員さんを捕まえてCDを注文すればよかったのです。奥手だった私にはそれができませんでした。)
 今でも私がそのUFOの出てくるMVを見るたびに思うことは、当時この女性グループのライブビデオ(LV)を見て虜(つまり、ファン)にならなくてよかったな、ということでした。なぜなら、彼女らのパフォーマンスに気を取られて、この曲の大事な点を見落としてしまいそうだったからです。こんなふうに例えたらいいかもしれません。もしも私が韓国の十代のお嬢ちゃんだったとして、彼女らのライブを見に行ったら、そのステージに感激してキャーキャー騒いでしまった一人になっていたかもしれません。これでは、某YouTubeに投稿した韓国のベーシストが女装して演奏するのと同じイメージでキモいと思われてしまうかもしれません。けれども、そのライブの動画を当時見ていたら、本当に虜(つまり、ファン)になっていたと思います。それほど、彼女らのライブは素晴しかったと、そのLVの映像を見て私は思いました。
 そんなわけで、だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、今回私が日本語カバーした曲をさっそく披露したいと思います。この日本語カバー曲の(大事な点を含む)詳しい解説および説明と私の意見などについては、次回のブログ記事に述べることとします。


  『ひそかな願望』

好きでいたいと思うならば、
何度も会いに来て欲しい
「愛してるよ。君だけだ。」と、
抱きしめてくれるならば
すべてが変わるわ やーやーやー おー


ただの友達でもいいと考えていたの
なのに近頃あなたの様子ちょっとおかしい
その仕草が何かを問いかけてきてる
この気持ちをお望みならば
すべて見せるわ


私を好きに思うならば、
そっけない私をわかってね
「愛してるよ。君だけだ。」と、
ささやいてくれるならば
すべてが変わるわ やーやーやー おー


あわてている私を見ているのかな
あなた一人に心捧げて
時の果てまで


私を好きに思うならば、
そっけない私を許してね
「愛してるよ。君だけだ。」と、
ささやいてくれるならば…


(ラップ)
あなたと一緒に微笑み合って
あなたと一緒にささやき合って
あなたと一緒に抱きしめ合って
教えてくれたあなたのために
昔の私を忘れ去り ちょっといい娘(こ)になってみて
いつも一緒に居れるなら
きっと、どこでも最高!


私を好きに思うならば、
そっけない私をわかってね
「愛してるよ。君だけだ。」と、
ささやいてくれるならば
すべてが変わるわ やーやーやー おー