入試問題ネット流出と『現代っ子』の発想

 テレビのニュースで知ったのですが、大学の入試問題のカンニングのためにインターネットを利用してその答えを求めようとした誰かがいたそうです。何が問題なのかを私も考えてみました。いろいろと考えられることはあるでしょうが、「試験中に試験の内容を外部にもらした」ことに問題があると思いました。
 携帯電話などの電子機器やインターネットを利用していることから、さぞかし頭がよさそうな人間の仕業に思われそうですが、それはただのそういうイメージにすぎないと思います。世の中、そういう見栄っ張りの人間は珍しくありません。今回の人物も、その一人にすぎないのかもしれません。
 何でそんな言い方ができるのかと言いますと、携帯電話もインターネットも、そんなに頭が良くなくても、誰でも簡単に使っているからです。今はそういう時代です。世界2位じゃいけないらしいスーパーコンピュータを使うのとは、わけが違います。
 従って、その人物は「要領はいいけれど、頭がいいとは言えない」と私は思いました。私にすれば、十代の学生時代の頃の同級生と同じレベルの、『現代っ子』のイメージにしか見えません。だから、もし不正をはたらいて得意になっている人が若い人であったら、その親ごさんにも責任があると思います。要領がよければ世の中うまく渡っていけると考えるのが『現代っ子』の特徴でした。でも、このようなやり方は、すぐに化けの皮がはがれます。20世紀で通用しても、21世紀の世の中では時代遅れな発想です。
 何が目的でそんなことをしたのか。また、どんな方法を実際に利用したのか。それは、私にもわかりません。しかし、何が目的であったにしても、どんな方法を使ったにしても、そんな人物は大学に入って苦労して勉強する資格がありません。それどころか、ろくな大人になれません。インターネット上の、何も知らない他人の善意を悪用することは、悪質な詐欺と同じことです。