私のプロフィール モーツァルトとの意外な関係

 私の誕生日のエピソードを一つ紹介しましょう。あの有名な音楽家モーツァルトと私は、誕生日が同じです。それだけならば何のことはありませんが、その『あること』は私だけしか知らなかったことです。しかも、科学的には説明できないかもしれない、ただの偶然に過ぎないことなのかもしれません。
 かの有名な音楽家モーツァルトは、幼い頃から音楽の才能があって『神童』と呼ばれていました。現代でも、クラシック音楽の有名な人物の一人として、その音楽が多くの人々に聞かれて楽しまれています。ところが、彼の晩年は不幸だった、という話を小学校の音楽の授業で聞いたことがありました。奥さんが悪妻だったとか、何かわけがあって、彼のお葬式に人が集まらず、寂しく埋葬が行われたとかいう話を聞きました。話の真偽はともかく、これらのことに私との共通点があるわけではありません。私とは、まったく正反対の人物像なのではないかとさえ思えます。
 実は、私はクラシック音楽が大嫌いです。正確に言うならば、クラシック音楽を静かに席に座って、じっと聴いていることができないのです。子供の頃から、私はクラシック音楽のように真面目な音楽とか、日本の、伝統的な民謡や浪曲・小唄、そして、演歌を耳にしてはいても、どうしても好きになれません。例えば、フォーク歌手の人が中年期を過ぎて演歌が好きになった、という話を聴いたことがあります。一方、私はこの年になっても、演歌が嫌いで、普段は聴かないし、歌えません。(演歌ファンの方、申しわけありません。)同様に、普段は全くクラシック音楽を聴きません。
 でも、音楽が嫌いなのではありません。懇親会とか二次会とかでカラオケがあれば、歌うチャンスを狙っています。もちろん公衆のマナーを守って、マイクを一人で手放さないということはありません。歌う出番をもらって拒絶するということは全くありません。ポップス系なら古いものでも新しいものでも、人並みに歌えてしまいます。
 そんな私が、子供の頃から何を聞いていたのかと申しますと、テレビのアニメやドラマの主題歌ばかりでした。あとは、私の父が聞いていたレコードとかです。外国の映画音楽とか、加山雄三さんの曲とかがありました。それから、当時十代二十代の叔母さんたちが聞いていたグループサウンズの曲や、小中学生の頃にラジオでよく聞いたいわゆる歌謡曲フォークソングやニューミュージックでした。
 特に、テレビアニメやドラマの主題歌は沢山聴きました。『月光仮面』『ひょこりひょうたん島』や『鉄腕アトム』『ゲゲゲの鬼太郎』『ハリスの旋風』などなどから始まって、ほとんどの子供向けアニメやドラマの主題歌を聴いていました。カラオケで人前で歌うのは、さすがに恥ずかしくてできませんが、さわりだけならかなりの曲数を憶えています。もちろん『タイガーマスク』も、6歳下の弟と子供の頃に見ていて、その主題歌(昔のアニメ主題歌は、オープニングとエンディングで別々に二曲ありました。)を聴いていました。また、最近のグリコの新型ガムのテレビCMを見るたびに、『狼少年ケン』の主題歌をそのまま思い出してしまいます。
 さすがに最近のアニメの主題歌は知りません。『ちびまるこちゃん』や『サザエさん』は、ずいぶん長く放送されていますが、主題歌もずっと変わらず長く使われていて感心します。強がりに思われるかもしれませんが、『マジンガーZ』とか『機動戦士ガンダム』あたりまでは、かなりアニメの主題歌を聴いていたと思います。『エヴァンゲリオン』のテレビ主題歌もよかったかな、と思います。それまでのテレビの主題歌を説明しようとすると長くなるので、今回はここでやめます。
 大切なことは、これらの子供向けアニメやドラマの主題歌には、ある共通性があるということです。とにかく元気で素直な音楽が多いということです。これはわたしの勝手な音楽的イメージなのかもしれませんが、長い間いろいろとそれらの主題歌を聴いていると、そんな感じがするのです。しかも、その音楽性のイメージが、モーツァルトの音楽と重なります。これもまた私の勝手な妄想なのかもしれませんが、日本の子供向けアニメやドラマの主題歌は、モーツァルトっぽいというか、モーツァルトらしい音楽に私には聴こえるのです。
 つまり、私は、モーツァルトの音楽をクラシックとして聴いているのではなく、現代風なポップな音楽として聴いています。ですから、他のクラシック音楽モーツァルトの音楽を別物として聞き分けることができます。誰の曲かわからないクラシックの曲の中から、モーツァルトの曲だけ、聞き分けることができます。ケッヘル?番というケッヘル番号しかついていない曲を、今まで一度も聞いたことがなくても、それがモーツァルトの曲かそうでないかがわかります。
 でも、もしかして、こんなことは誰でもできることなのかもしれません。私じゃなくても、誰でもできることかもしれません。興味がありましたら、各人で試してみるといいと思います。