私の本業 今年のキュウリはまだ終わらない

 キュウリの契約出荷という、生活安定のための足かせが9月中に終わって、一安心しました。今になって考えてみると、キュウリが安値の時にも一定の収入がありました。そして、3ヶ月の足かせのおかげで、私自身のキュウリの栽培管理技術にも磨きがかかって、JAへの出荷も持続できたので、いつもの年よりもキュウリで収入を増やすことができました。今までの私が、いかに毎年夏場に収益をあげられず、損をしていたかがよくわかりました。要領が悪かったのか、それとも本業に対するやる気がちゃらんぽらんだったのか、まだ私自身にもよくわかっていません。きっと、何かの資金をためるとか目標を持たないで、目先の生活ばかり考えていたせいだと思います。将来の生活設計を改めて考えてみる必要がありそうです。
 ところで、作業が一段落した、と思っていたのですが、そうは行かないのが現実でした。田んぼの稲刈りもJAから機械を借りて一人で終わらせました。私の場合、去年直売所にお米を出荷したら結構評判がよかったのですが、はぜかけをやったことと価格が安かったこと(キロあたり300円)が原因でした。というわけで、(例年にない雨風にあってしまい)かなり稲が転んでしまいましたがコンバインは使わず、今年もバインダで刈った稲をはぜかけにすることにしました。はずかけや脱穀に手間はかかっても、おいしいお米を買ってもらいたいからです。
 さらに、キュウリの収穫と出荷も継続中です。秋の涼しさでキュウリのとれる量が減ってきているので、本当は10月になったらやめちゃおうかな、と思っていたのですが、例年のいまどきのようにキュウリの市場価格がまだ下がってこないので、JAにわずかでも出荷して、そこそこの収入が得られるようです。また、直売所に出荷しても、どこかのお客さんに「黒田さんのキュウリはおいしいから。」と言われてしまうと、つい出荷してしまうのです。(出荷時には、値札に生産者の名前が印刷されているため、農産物の生産者が誰なのか、すぐわかってしまうのです。)別に私は、おいしいキュウリを出荷しようと頑張っているわけではありません。私が栽培し続けているのは、JA出荷用の日持ちのする、皮の硬い、まずい品種のキュウリなのですが、高原野菜で、秋口の収穫で、早採りの比較的細くて短い、皮がやわらかいキュウリになっていて、それでおいしいと評判なのかも、と思いました。この時期キュウリは夏場の最盛期のように数多くは取れませんから、大した儲けにはなりませんが、収入がゼロよりかはいいと思って、毎日作業を続けています。