私のプロフィール テレビが話し相手?

 私は目が悪くてメガネを中学生の頃からかけるようになりました。近視なのですが、実はこれは勉強のしすぎでなったのではありません。小さい頃からテレビばかり見ていて、テレビの見すぎが原因でした。それでも小学5年生くらいまでは白黒テレビだったせいもあって、仮性近視の軽い症状で眼科医院に通っていました。しかし、カラーテレビに代わってから、視力が急激に落ちてメガネをかけなくてはならなくなりました。
 子供の頃は、スポーツ・バラエティ・歌番組以外の大人の番組は、ほとんど見たことがなく、もっぱら子供向けのアニメやドラマしか見ませんでした。小学生の頃、同級生から11PMの水着の女性のことを聞かされても、見ていないので全然興味がわきませんでした。また、『時間ですよ』の女湯のシーンが凄いと友達から言われても、やっぱり見ていないので話題についていけませんでした。唯一『木枯し紋次郎』を一話だけ、親から許しをいただいて、見たことがありました。子供でもわかる無難な内容で見たおぼえがあります。
 また、子供の頃は、テレビの前で行儀よくするように親から躾けられました。静かに黙って姿勢を正して見るよう、言われました。「このドラマの犯人は、××だよ。だから…」と話し出そうものなら、「黙って見てなさい。」と親父から注意されました。内心、私はそのことに不服でした。親父のようにテレビを黙ってじっと目をこらしてみていることは、疲れるし、少しも面白くないのです。仕方が無いので、親父の目の前でテレビを見る時だけは余計なことは喋らないようにしていました。
 でも、やっぱりテレビは、じっと黙って見ているのは面白くありません。あることがきっかけで、私はそう思うようになりました。小学4年の夏、長野県篠ノ井の祖母の親戚の家に行った時のことです。その家には、当時の悪徳プロレスラーのブッチャーのように太ったおばさんがいました。その家では、梅漬けもあんず漬けも、瓜の酒粕漬けもすべて甘い、つまり、すべて砂糖漬けでした。おばさんが太っていたのも、砂糖の摂り過ぎではないかと思われました。その夜、祖母の弟にあたる、寺島のおじさんがゴールデンタイムのプロレス中継を見ながら、しきりと騒いでいるのです。ジャイアント馬場が、悪徳プロレスラーのブッチャーから反則攻撃を受けているのを見て、「ブッチャーめ。なんてことをするんだ。」とか「やっちまえ。」とかテレビに向かって叫んでいるのです。また、おじさんの周りの家族も、それを応援する形で一緒になって「やっちゃえ。やっちゃえ。」と騒いでいました。その雰囲気の中にいた私は、「テレビは行儀よく黙ってみるように親から言われているけど、本当はテレビに向かって話しかけていいんだ。」ということがわかったのでした。
 私の場合、テレビでやっている番組が何であろうとも、話しかけてしまうことが多いです。ニュースであろうと、ドラマであろうと区別がありません。ついこの間も、長野県知事立候補者の政見放送を見ていたのですが、ある立候補者が「○○を××にします。」と言った途端、「できんのかよ。」とテレビに向かって叫んでしまいました。また、あるドラマで「俺のとは、違うなあ。」と主人公が言うので、「えっ、違うのぉ。」とつい言ってしまいました。
 まあ、一人でテレビを見ている分には、誰にも迷惑はかかりませんから、それでいいのかもしれません。しかし、この癖は、一般人女性にはかなり嫌われそうな感じがします。「テレビに話しかけないで、私に話しかけてちょうだい。」とか言われそうな気がします。