Windows8.1ニモ負ケズ

 MicroSoft社がWindowsXPのサポートを終了する期日が迫っていると言われていました。そこで、私もまた、新しいバージョンのWindowsへの乗換えを計画して、Windows8.1のソフトとバックアップ用フラッシュメモリなどを買って準備していました。そういえば、インターネットに接続している、このノートパソコンにはDVD装置すら付いてない。Windows8.1をDVD媒体で買ったのにどうしようか、などと考えてしまいました。たまたま、最近、電源を入れても動かなくなった中古のデスクトップパソコンが手元にありました。そこからDVD装置を取り出してきて、そのIDEインターフェースをUSBに変換する便利なパーツを使って、ノートパソコンに接続することに成功しました。
 一応WindowsXPの環境下にあったデータファイルなどはバックアップをとっておきました。けれども、Windows8.1がノートパソコンにインストールされてしまうと、これまでノートパソコン内にあった環境は全く元へ戻せないものとなってしまいました。それで、私はいくつかの重大な問題に直面して、しばしパニックに陥ってしまいました。
 思い返せば、Windows3.0やWindows3.1のソフトを何枚かのフロッピーディスクで私がインストールしたのは二十年ほど前になります。Windows95は、CD読み取り装置を設置した自作マシンにインストールしたと記憶しています。Windows98は、Windows95をインストールしたマシンにアップデートCDを読み込ませて、使えるようにしました。その後、WindowsMEのアップデートCDを買って、バージョンアップした記憶があります。それ以降は、WindowsXPがインストール済みの中古パソコンを買って、今日に至ります。私にとっては、インターネット接続をしているパソコンのOSをバージョンアップするのは、今回が初めてでした。
 今回Windows8.1をインストールしてみると、ノートパソコンのLCD画面の解像度が480×640ドットになってしまいました。文字や線などが荒く表示されていて、操作しにくくなってしまいました。一瞬私はあわててしまったのですが、これと同じような画面は過去のインストール時に見たことがありました。Windows3.1やWindow95の時に、似たような経験をしました。あの時は、グラフィック・アクセラレータという別売のボードを買ってきて、パソコンの増設ボードに差し込みました。そのボード(ハードウェア)専用の駆動ソフト(デバイス・ドライバー)というものをパソコンに読み込ませて、WindowsOSの環境設定(コンフィグレーション)ファイルにその名前を指定します。そこが間違っていると、上手くいかなかったのです。
 おそらく今回も、ノートパソコンのLCD画面専用のデバイスドライバーおよびその環境設定ファイルが、Windows8.1のインストールによって消えてしまったようです。そのかわりに、MicroSoft社の暫定デバイス・ドライバーが設定されて、画面は荒くても、かろうじて最低限の操作ができるWindows画面を私は見ることができたわけです。
 そこで、私は、そのノートパソコン・メーカーさんから提供されている、そのLCD画面専用のデバイス・ドライバーをセットアップできるソフトを探し出してきました。そのノートパソコンの製品仕様書によると、『Mobile Intel(R) 945GSE Express Chipset』というチップセットを内蔵していて、そのLSIチップセット(ハードウェア)がLCD画面の解像度を1024×576ドットにするビデオ・グラフィック・アクセラレータの役割をしていることがわかりました。それを駆動するデバイス・ドライバー(ソフトウェア)をWindows8.1の環境下に設定できるセットアップ・ファイルを見つけてきて、そのセットアップを実行しました。よくよく考えてみると、その手続きの仕方は変化してはいるものの、コンピュータのソフトウェア・システムの基本的な部分もしくは原理的な部分は、ここ二十年間でそれほど変わっていないことがわかりました。
今回のWindows8.1のインストール後に直面したもう一つの問題は、インターネットがつながらなくなったことでした。通常のパソコンでは、インターネット・ケーブル回線をつないで、WindowsOS上の環境設定をすれば、インターネット契約しているプロバイダと接続できるようなのですが、私のノートパソコンの場合は若干違いました。データ通信端末というハードウェアをノートパソコンにUSB接続しています。その駆動ソフト(デバイス・ドライバー)も、接続管理ソフト(その端末専用のソフト)も、Windows8.1のインストールによって無効になってしまいました。それが解決できないと、現在こうしてブログ記事を書くことさえできなくなってしまうところでした。
 そのデータ通信端末専用のデバイス・ドライバーと接続管理ソフトと環境設定ファイルの一式を、機器購入時に付いてきたCD−ROMから読み込んで再セットアップしました。実際には、こんなふうに一口で言えるほど簡単なことではなかったのですが、何とかインターネットに接続して使えるようになりました。
 現在のノートパソコンは、タッチパネルではなく、画像解像度も1024×728に満たないため、Windows8.1のアプリなどの新機能は使えません。けれども、Windows8.1のインストール前に利用できたデスクトップなどの環境はなるべく維持したいと思いまいた。それで、Windows.oldというフォルダに、Windows8.1のインストール前の個人的なデータが残っているのを発見しました。もしかしたら、バックアップは必要なかったのかもしれません。「新OSのインストール時に何が起こるかわからないので、念のため」ということだったのかもしれません。
 現在のノートパソコンのマシンパワーが足りないせいだと思いますが、Windows8.1のMediaPlayerはmpeg動画をスムーズに再生してくれませんでした。それを補うために、ネットで公開されている別の動画再生フリーソフトに切り替えてみたら、スムーズな動画を見ることができました。Windowsというものは、あくまでも基本OSなので、何でもかんでも、それだけあればできる、というシロモノではないと思っていましたので、それはそれでいいと思いました。逆に何でもかんでも、最上最高のものが揃っていたら、それこそ他のソフトは要らなくなって、新たなソフトウェアを開発する意味がなくなってしまうことでしょう。
 そうして私はあれこれやっているうちに、Windows8.1という新OSをインストールするために、昨日まる一日をつぶしてしまいました。けれども、このノートパソコンが、Windows8.1のインストール前とそれほど変化なく、そこそこ使えるようになったので良かったと思いました。