私の本業 今年はどんな動物に出会ったか

 最近テレビのニュースを見ると、各地で熊がヒトの生活圏に出没して、死傷者が例年以上に出ているそうです。
 私の所はと言うと、住んでいるアパートは富士見台という名の丘の上にあります。富士見台団地という丘の斜面を切り開いて作られた新興住宅地内で、果樹園がそばにありますが、普通に何処にでもいる虫と鳥と猫以外の動物を見たことがありません。
 私が作業をしているビニールハウスは、部落と里山と田畑に囲まれた場所なので、いろんな動物を見かけます。しかし、さすがに熊は見かけません。里山に住んでいる狸とか狐とかが、田畑を横切って、たまに道路で車にひかれて倒れていたりします。もう少し山のふもとのほうへ上っていくと、例えば、有名な『稲倉の棚田』近くのビニールハウスでは、猪が出没して、ビニールを押さえているワイヤーを引きちぎったりしています。
 ところで、私の作業している場所では、ここ数年の間、蛇を見かけることが多くなりました。といっても、年に一、二度くらいで、いつも違った蛇に出会います。ところが、今年はすでに4匹の蛇に一回ずつ出会っています。一匹は、頭が三角のマムシでした。また、キュウリの木のアーチに上っていた白い蛇にはちょっと驚きました。キュウリを取ろうとしたすぐそばにいたのですが、蛇を驚かすと大変なことになるので、そっとしておくことにしました。目と目が合いましたが、私は何にもしなかったので、蛇はそのうちどこかへ行ってしまいました。
 また、部落では、里山が近いせいか、でかい蛾を見かけることも多いです。羽を広げると手のひらサイズくらいから、両手のひらを広げたサイズのでかいものまでいます。見つけたら、箒などで叩き落として、靴で何回か踏みつけないと死にません。そんなでかい奴をほっておいて数が増えたら大変なので、見つけ次第殺すことにしています。幼虫なんかもでかくて、地面をはっていたら踏みつけて殺すのですが、二、三回踏んだくらいではびくともしません。生物の多様性と最近よく耳にしますが、現実にはこのように厄介な例もあるのです。
 鳶とか烏とかもいますが、見かけても一、二匹くらいで、最近あまり見かけません。そのかわり、雀がやたら多くて、(おそらく稲を狙っているのでしょう。)夜になると、キュウリの木のアーチの上の方に止まって、寝ていることがあります。(蛇にさえ狙われなければ、)そこが夜は一番安全だと知っているらしいのです。
 最近不思議なのは、ビニールハウスの内外に、アマガエルやトノサマガエルやアオガエルやイボガエルのかっこをした、いずれも小型の蛙が多数いることです。例年では今時蛙など見かけることはなかったのですが、今年はまだ蛙が鳴いています。そして、蛙を見かけると、いずれもだるまのようにころころと太っているものが多いです。虫を食べ過ぎて、メタボになって身動きできない蛙をよく見かけます。
 さらに昆虫の話を始めると、話が長くなりそうなので、この辺でやめたいと思います。別に私は、無農薬で農業をやっているわけではありません。けれども、最近は毒性のある農薬は日本では販売禁止になっているため、入手できません。そのせいで、通常の農薬の使用では、ほとんどの生物は死にません。アブラムシやアザミウマやハダニやハエ類や青虫とかの微小生物の害虫の繁殖をおさえさえすれば、事足ります。それでも、まだ何らかの微小生物がいるらしいのですが、私にはわかりません。メタボになった蛙に聞いてみたいものです。