私の本業 『14才の母』とのつながり

 以前、私は『14才の母』をDVDビデオで見ていて、こんなシーンに気付きました。お母さんが未希ちゃんにこう言います。「赤ちゃんを育てることには休みがないの。…学校や会社はお休みがあるでしょ。でも、赤ちゃんには無し。一瞬でも気を抜けば、死んでしまうかもしれないから。」
 このシーンを見ながら、私はいつも思うのです。赤ちゃんを育てることと、農業をすることは同じなんだ。同じように、土日祝日休みが無いんだ。確かにその通り、植物には土日祝日は無いのです。また、植物の小さな苗は、水やりをたった一回怠っただけで、一瞬の強い太陽の光で枯れてしまうことだってあります。
 農業を現在の仕事としている私にとって、赤ちゃんを育てることの容易でないことがすんなりと理解できました。『14才の母』で述べられているその大変さが、実感を伴って、当然のこととして受け入れられたのです。サラリーマン社会の中で軽視され忘れ去られてきたもの、もしくは、赤ちゃんの育児ノイローゼで悩んでいる女性の方々の辛い気持ちが、私には伝わってきました。だから、『14才の母』のこのシーンは、人手が足りなくて過剰労働で精神的にめいってしまった私自身の心に勇気を与えてくれます。辛いのは自分だけじゃないんだ、頑張らなきゃ、という勇気です。
 もっとも、私の場合は、体調が悪くなりそうな時は、植物の無事を確かめてから、家に帰って2〜3時間休むことがいつでもできます。それで体を回復させて、一人で仕事を続けていけます。