女人禁制って恥ずべきことなのか?

 最近、おかしな話が多いような気がします。それだけ精神障害のようなものが、私たち現代の人間の心の中に忍び込んでいるのかもしれません。当然のことですが、私は、いかなる伝統よりも、人命救助は優先すると思います。
 しかしながら、今回の日本の事件に対する、すなわち、女人禁制に対する外国マスコミの批判はひどいと思います。『世界の流れ』か何か知りませんが、国際的に、遺憾の意を表します。文化や風習の違いかもしれませんが、日本のことを誤解しています。女人禁制の本当の目的は、女性差別ではないことを明言いたします。
 確かに、日本の相撲などの伝統文化では、女性を汚れたものだとして排除するという面があると思います。しかし、それは、そのこと自身が目的ではありません。その本当の目的は、むしろ女性の生命や人権を守るためにあるのです。
 公私いかなる場所においても、男女の淫らな行為は禁じなければなりません。つまり、女人禁制の風習は、女性の自由を制限するというよりも、男性の側の自由や権利を拘束するという意味のほうが強いのです。性欲や腕力の強い男性の側に、我慢をさせて規律を守らせるためには、女性に接触させてはならない。昨今の、日本の鉄道の、女性専用車両と同じ発想なのです。女性の気持ちや生命を公の場で守るためには、男性の側にそれを強制させなければなりません。そのためのシステムが日本の伝統として、そもそも引き継がれているにすぎません。
 折しも、全世界の女性たちが、”Me, too.”を叫んでいるではありませんか!!日本でその問題がそれほど重大視されてきていない背景には、女性に対しての、男性に淫らな気持ちや行為、そして、暴力的な行為を禁じるための、こうした日本のシステムがもともと伝統としてあることも、大いに関係していると思います。
 外国の皆さんが、日本をいい国だと思うのであれば、その背景をもっと深く理解する必要があります。うわべだけ見て、「日本はいい国だ。」とか「日本は清らかなことを大切にする国だ。」とか「日本は美しい国だ。」とか言わないでください。そんな皆さんに、日本人の伝統や風習を批判する権利はありません。