私のプロフィール 笑いが止まらない遊び

 たまたま午前中に、事務処理が必要な仕事をしていたついでに、気分転換のためにテレビをつけてみたら、情報バラエティ番組の『スッキリ!!』がやっていました。整形メイクとか変身メイクとかを紹介していました。メイク技術の進歩でここまで出来るという、その『形』が見えてすごく面白かったのですが、その後の、謎の男のコーナーでは、お笑い芸人の小島よしおさんが高校の卒業写真でどんな髪形をしていたかというクイズが出されました。出演者全員が、パネルに印刷された小島よしおさんの顔写真の上の髪型を想像して、黒マジックで書いて解答されていました。それがまた面白かったのですが、私は中学生時代のあることを思い出しました。
 そういえば、私も中学生時代に同級生に触発されて、その禁断の遊びをしたことがあります。国語などの教科書には、文章の終わりに著作者の顔写真が小さく載っていることがありました。私の知っている同級生(実は、彼は以前ブログ記事で書いた、映画が大好きな寺田君でした。)は、余りに授業が退屈だったので、授業中に鉛筆で教科書にいたずら書きをしていました。よくあるのは、教科書の複数ページの隅っこに、ぺらぺら漫画を描くパターンですが、彼の場合は違っていました。宮沢賢治の顔写真にあごヒゲと、尖った太い眉毛と、鼻水を垂らした、禁断のいたずら書きでした。授業が終わってから、寺田君は私の学生服の肩を軽く叩いて、「黒田っ、これを見てみろ。」とその国語の教科書を見せるのです。私は、それを見て、まず、いたずら書きとは思いませんでした。寺田君があまりに真剣な顔つきで、自信満々にそれを見せてきたので、これはただのイタズラではない。彼は、アートとしてそれを私に見せたいのだと、その瞬間に思いました。彼の賢いところは、鉛筆を使ったことで、消しゴムで消せば顔写真が元に戻ることでした。
 そこで私もやってみることにしました。国語の教科書の夏目漱石の顔に、いたずらをしてみました。聖徳太子の肖像のようなあごヒゲをつけて、目の上下につけまつ毛を付けてパッチリさせて、髪をのばして編み上げてリボンを付けてみました。自分でやってみると、可笑しくて、笑いが止まりませんでした。さすがに授業中は出来ないな、と思いました。なぜなら、笑いが止まらなくて、教科書へのいたずら書きが先生にバレてしまうからです。私は、休み時間に限定して、この遊びをすることにしました。
 それから2、3回くらい休み時間中に、私が作った作品を寺田君とか近くの席の友達に見せていました。あまりに下らない楽しみだと思っていたので、席が近くても女の同級生には見せたことがありませんでした。たとえば、音楽の教科書の滝廉太郎の顔写真にはこんなふうに鉛筆でいたずらをしました。写真の髪の毛がもともと短かったので、厚めにして、激しく強いタッチでパンクにしてみました。口もとが寂しかったので、ちょび髭を書いてみました。耳から何かニョロニョロ出してみたり、頬にニキビを付けてみました。やっていて笑いが止まらなくて、おなかが痛くなって、休み時間が終わってしまった時に困りました。その時には、消しゴムでこすって、元の顔写真に戻しました。すると、妙なことに笑いも止まりました。すっきりした気持ちになりました。
 良い子の中高生の皆さんは(中高年ではなくて中高生です。)、こうしたいたずら書きをなるべくしないようにしましょう。これはあくまでも、禁断の遊びです。疲れて勉強に集中できない時はやってしまうかもしれませんが、くれぐれも人に迷惑をかけないようにやってください。普通の鉛筆と消しゴムを使うことが必須です。当然のことですが、教科書への無益な落書きはいけないことです。書いてしまったら、必ず消しゴムで消すことを心がけましょう。