おもいっきりテレビと熱中症

 『午後はOOおもいっきりテレビ』を日テレで観ていた頃の記憶をたどってみると、昨今の熱中症で命の危険にさらされる人が多い理由が、私にはちょっと理解できるような気がしました。そこで、今回は、その『おもいっきりテレビ』的に熱中症の危険なメカニズムを解明してみようと思います。
 私がその番組を観ていた時期は、ちょうど会社を辞めて失業状態だったと思います。ラジオの文化放送でDJをつとめていらした、みのもんたさんがこの番組のMCをやられていました。私の記憶では、健康に関する情報をしばしば観ていたようです。特に、加齢などが原因で血中の水分や栄養分などが失われると、血液どろどろ状態になりやすく、脳卒中などの病気をひき起こしやすい、と聞いた覚えがあります。また、玉ねぎなどの食物を摂ることによって、血液どろどろから血液さらさらに変えることができるとかいった知識を学んでいました。
 実は、私は、毎年夏にかけて、汗をかきやすくなって、暑さに慣れていきます。しかし、今年は、その準備期間である梅雨が極端に短くて(いわゆる、カラ梅雨だったかもしれません。)、カラカラに空気が高温乾燥して、通常の農作物が枯れるほどでした。右足の小指が突然血行障害を起こして、次に右足の甲が腫(は)れてしまいました。
 私は、過去にも、春から夏にかけて、足首や手首やひざなどの関節部分に負荷がかかって、怪我をすることが少なくありませんでした。その部分が赤く腫れて、1.5倍に膨(ふく)れ上がります。そこを手で触るだけで、痛みがありました。また、動かしたり、体重をかけると激痛がありました。整形外科のお医者さんに、手足の捻挫(ねんざ)として診てもらいました。はく離骨折などしていないかどうかを何度もレントゲン撮影してみましたが、骨が折れていないことが明らかになるだけでした。にもかかわらず、私の体には激痛が消えませんでした。それで、そのお医者さんの紹介で、となりの町の病院の放射線科に行って、MRIで調べてもらいました。1.5倍に膨れ上がった左手首を、10分間かけてMRIで撮影してもらいました。その結果の動画を、放射線科の専門医さんと技師さん(いずれも男性)と、私は一緒に観ることになりました。
 左手首の中心部分を毛細血管が流れています。どうも、その箇所の一部分が、外部からの無理な力で、破裂して内出血を起こしたらしいのです。その毛細血管の箇所が、動脈側に近かったため(つまり、左手首の中心部分であったため)、多量の内出血による異常な腫れ上がりが皮膚下に起きて、痛みがひどくなったと考えられました。私は、そのラジエーションハウスの放射線科の専門医さんと技師さんに、どうしたらば治せるかを質問してみました。ところが、彼らから返ってきた答えは、「そうなった原因がよくわからない以上は、自然治癒しかないね。」と言われました。なかなか、フジテレビ系のドラマのようには、いかないようだと私は思いました。でも、その2ヵ月後には、私の左手首は、腫れもひいて、痛みも取れて、普通に使えるようになりました。やっぱりあの放射線科の専門医さんと技師さんのおっしゃっていたことは、正しかったのです。
 そこで、その後の私は、彼らになり代わって、動脈側の毛細血管に傷がついて破裂してしまった原因を私なりに究明してみました。それで、思い至ったのが、春から夏にかけての急激な高温状態による、熱中症のメカニズムだったわけです。急激な発汗などによる脱水症状によって、私の体内では、血液どろどろ状態になったと考えられます。そして、脳の毛細血管が傷つき破裂して脳卒中が起きるのと同様に、体外からの無理な力で瞬時につぶされた手や足などの毛細血管が、どろどろの血液によって傷つき破裂したと考えられました。つまり、この怪我の症状は、骨が折れたわけではないので、傷つき破裂した毛細血管の箇所が自然治癒などで再建あるいは再生されれば、治るということが私なりに理解できました。
 {普通の食事+シナモン}という食事療法で、一時的に毛細血管を再建することを目指しました。また、日常の痛みに対して消炎鎮痛剤を使うと、治りが遅くなると考えて、今回はなるべくその薬を服用せず、その痛みを受け入れるようにしました。その甲斐あって、6月1日には一時的に全く歩けなくなった私が、その1ヶ月後には、右足の小指も甲も腫れがひいて、痛みもひいて、普通に歩けるようになりました。
 子供の頃に体が弱かった私は、お医者さんにお世話になることが少なくありませんでした。だから、子供の頃は、何の知識も確証もなく、大人になったらお医者さんになりたいと思っていました。ところが、中学高校生になって、青年期の私は、体が丈夫になったので、そのような子供の頃の夢をすっかり忘れてしまいました。そんな折りしも最近になって、新型ウイルス感染症や、加齢による怪我などで危機に直面するようになりました。そこで、そのような『一人お医者さんごっこ』を、私なりに興味を持ってやってみるわけです。いろんな科学的かつ医学的知識を調べたり、あるいは、我が身で実際に体験してみて、どうなのかを探ってみます。また、最近では、定期的に健康診断を受けて、2ヶ月くらいの間隔で本物のお医者さんに診てもらうことも欠かせません。その逆に、身近な私自身のことを他人事にして、ほったらかしていたら、今日の私に明日は無いかもしれません。