感染症予防対策と風邪予防対策

 最近テレビのニュースで報じられる事件や事故を知るにつけても、また、私自身の日常の煩雑さからしても、今が年末だということを余り感じられなくなっていました。本業で屋外の片付け仕事が多いのですが、雪などが降ってしまうと、屋内でしなければならない仕事が山積みになっていること(例えば、5年毎の経営改善計画書の市役所農政課への提出とか、数年毎の農地貸借契約書に捺印して役所に郵送提出するとか、確定申告の参考となる年間収支記録の集計とか…)に目が向いて、なかなか気持ちが落ち着きません。
 今年も、25日までに東京の自宅に年賀状でも送ってみようと思いました。今度も、年末年始に東京の自宅に帰省しないことを、先日私の母に電話で伝えておきました。新型コロナウィルスの再流行や、そのオミクロン株の感染拡大を懸念するということよりも、寒い長野県で一人勝手に年末を過ごすほうが楽になってしまったというのが、私の本音です。現在住んでいる部屋の掃除整頓をちょっとだけ片付けたいとか、煩雑な仕事が片付かないことへの不安を少しでも減らしたいという意図があるのです。
 ところで、私は、11月初旬に何かのウィルス(おそらくノロウィルス)に感染して胃腸を多少やられました。少し今はそれから回復していますが、何かの風邪ウィルスによって、少し咳が出たり胃腸をやられることがしばしばあるようです。2回のワクチン接種に合わせて、今年の8月に地元のドラッグストアで体温計を買いました。調子が少し悪いときは検温してみるのですが、これまで36.6度以上になったことが一度もありませんでした。あの昨年4月に私が直面した危機以来、発熱や寝汗が一度も無い、というのがどうにも不思議でなりません。
 それに、今年はこんなこともありました。地元の長野県の新規感染者数は、その第5波がなぜか今年8月の旧盆シーズン直前にピークアウトしたようです。そのピークアウトの時期が、今でもまだ謎に満ちています。もしも、その旧盆のシーズンに合わせて、県外からの人の移動でそのデルタ株が入ってきたとすると、それが長野県民に感染拡大して、その新規感染者数のピークアウトが8月の下旬以降になるはずだったのです。ところが、実際は、8月中旬の旧盆のシーズンに入る直前が、そのピークアウトでした。ちなみに、私が2回のワクチン集団接種を受けたのは、8月の上旬と下旬でした。これも、その新規感染者数のピークアウトとあまり関係が無さそうです。ただ、そのワクチンの作用で、接種箇所の左肩が上がらなかったり、筋肉痛になったりしました。あるいは、体の各箇所で、筋肉がつったりしました。また、1年間消えることのなかった右手人差し指の水泡が消滅して、新しい皮膚にすり替わっていたので、何らかの抗体が私の体内に増えて、それが作用したように思えました。(それにしても、その第5波にしても、ワクチンにしても、まだまだ謎や不明な点が多いようです。)
 そんな状況下で、これはデマゴークだ、フェイク情報だといわれるかもしれませんが、『オミクロン風邪』という造語を私は勝手に作ってみました。これはどういう意味かと申しますと、「テレビのニュースなどの影響でオミクロン株の感染かと、つい疑ってしまう風邪」のことを、私なりに勝手に想定してみました。この想定によって、「ただの風邪だ。」と油断してしまう私自身の日常の行動を戒めようと考えました。つまり、オミクロンかもしれないから気をつけないといけない、と考えれば、日常生活の行動変容が容易にできると思ったのです。
 そもそも、「感染症予防対策をすれば、これまでの風邪予防対策は不要である」と考えることは、いつでも正しいとは言えないと思います。もちろん、感染症予防対策と風邪予防対策には、重なる部分があります。その共通部分については、上記の考え方は正しいわけで、感染症予防対策のおかげで風邪やインフルエンザにもかかりにくくなったということが多くなりました。「感染症を予防して、もし感染症にかかっても、それを重症化しないように気をつける。」という文脈は、「風邪を予防して、もし風邪にかかっても、それをこじらせないように気をつける。」という文脈と等しいわけです。しかし、冬場で屋内の換気をしばしば行うと、風邪をひきやすくなるのは、誰もが経験していることだと思います。このように、感染症予防対策が、風邪予防対策とイコールでない場合があることも明らかです。
 それでは、どうしたらいいかと申しますと、風邪予防対策として、例えば「1、2枚余計に衣服を着込んでおく」とか「換気中は、ガウンみたいな上着をちょこっと羽織る」とかしてみるといいと思います。どういう発想からかと申しますと、私にはこんな経験があるからです。長野県では、強烈な寒波なんかが来た夜中は、布団をかけていても体が冷えることがあります。そんな時に、私なんかは、毛布をさらに一枚かけて布団に潜って寝ています。つまり、冬場に体を冷やすことが、風邪をひいたり、万病のもとになったりする根本原因なのです。だから、風邪予防対策として、是非とも体を冷やさない工夫をしてほしいと思います。
 デルタ株やオミクロン株などのように感染力が強いウィルスを警戒するというのならば、もしかして従来の風邪コロナウィルスは、かなり感染力が強いウィルスなのかもしれません。そのことを無視するような感染症対策は、もしかして現状から少しずれていると言えるのかもしれません。もしかして、私は、このようなことで人間の盲点みたいなことを言っているだけなのかもしれません。けれども、それをありうる可能性の一つとしてもらえれば、それだけで十分だと思っています。
 最近地元のスーパーへ行くと、咳を頻繁にしているおじいさんやおばあさんに出くわすことが少し増えました。そのことを咎(とが)めることよりも、なるべく5メートルそして10メートルと少しずつ静かに彼らから遠ざかるように、私はしています。そうすれば、精神的にも平静を取り戻せて、いつまでも不快感を引きずることはないようです。感染症予防対策も風邪予防対策も、100%効果があるとは言えないかもしれませんが、何かやってみることによって少し違いがあるかもしれないと、そのくらいの意識でいつもいられたらいいなと、私も考える次第です。