『サンダーバード ARE GO』というタイトルについて

 別に大したことではないので、聞き流してもらってもよいのです。ただ、ちょっと英語的に変かなと思うので述べてみたかっただけです。お笑い芸人の厚切りジェイソンさんが”Why Japanese People!?”と言うレベルのことを、私も述べてみます。
 原題の"Thunderbirds Are Go!"は、「サンダバーズ、アーゴウ」みたいに英語で言います。しかし、日本語で集合名詞的に「サンダーバード」と言ったと言いわけしても、Be動詞の「アー(are)」が主語の複数形につく形であるため、ちょっと変です。さらに、「ゴウ(go)」という日本語で「行く」という意味の動詞が来ると、動詞が二つ並んで意味がわかりません。「いる」のか「いく」のか、それとも両方なのか、動詞が二重についていて、よくわかりません。
 おそらく、担当の翻訳者さんも含めて、この番組の日本語版制作スタッフさんたちは、この日本語版タイトルをどのようにつけたらいいのか、ということに苦心されたに違いありません。『サンダーバードは、発進準備完了!』という直訳では、長すぎるし、番組のタイトルとしては言いにくいです。つまり、昔からのファンから文句が来そうです。そこで、英文法的にはおかしくても、何とか日本語として通じればよく、前作の『サンダーバード』というタイトルとの区別がつくことを優先したのだと思います。
 ちなみに、"Thunderbirds Are Go!"は、文法的におかしくありません。辞書を引くと、"Are you ready to go?"(行く用意はできましたか。)という例文があります。従って、"Thunderbirds are ready to go!"と言うのと意味が同じであることがわかります。やはり、「サンダーバードは(どの機体も)発進の準備ができました。」という意味だったわけです。"Thunderbirds are (ready to) go!"と書けばわかると思いますが、英語での言い方を簡略化したものとみることができます。
 そこで、私なりにそのタイトルの日本語訳を考えてみました。『サンダーバード!発進!』というのがおすすめです。「アーゴウ(ARE GO)」のアクセントが、「発進(はっしん)」のアクセントとほぼ同じなので、正確な翻訳ではなくて、ちょっとズレていますが、おおかた許容の範囲だと思います。
 もしくは、『マイティージャック』と『戦え!マイティージャック』の例をパクって、『出動!サンダーバード』や『飛び立て!サンダーバード』や『行け!サンダーバード』や『進め!サンダーバード』くらいにしてみても良いかもしれません。