川井憲次さんの音楽にチューモーク

 今回私も、注目ネタというものをやってみようと思います。ある夜、テレビ朝日で『科捜研の女』をたまたま観ていました。すると、科捜研(SRI)のメンバーが、研究室内で○○鑑定や××検査を行うシーンになりました。そのシーンが始まると、バックで決まって流れる曲がありました。
 それは、こんな感じです。
「タータララーラ タラッタタッ、タータララーラ タラッタタッ、
 タータララーラ タラッタタッ、タータララーラ タラッタタッ。
 タータララーラ タラッタタッ、タータララーラ タラッタラタラ、
 タータララーラ タラッタタッ、タータラタラ ラーラーラッ。」
 『科捜研の女』を視聴したことのない人からすれば、何が何だかわからないかもしれませんが、このドラマの見せ場だよ、とその曲は教えてくれていました。
 科捜研とは、科学捜査研究所の略で、科学的な捜査および研究によって、事件の真相を解明しようとするチームのことです。海外ドラマでも、S.R.I.の活躍を扱ったドラマがありましたし、日本でも昔『怪奇大作戦』というミステリー・ドラマがありました。警察の科学捜査班(略称SRI)が、不可解な事件を科学の力で解明していくテレビドラマでしたが、子供の私にはその映像が怖かったので、当時は少しなじめませんでした。大人になって再度ドラマを観てみると、巨大怪獣や宇宙人の侵略者は登場しないものの、内容が豊かで、単なる怪奇ものではなかったことがわかります。テレビで放送禁止になるくらいの、ものすごく怖い話や映像もありましたが、大人にはある程度理解できても、子供にとっては難解で、しかも心臓に悪い内容だったようです。
 それに比べて、『科捜研の女』は、主役が沢口靖子さんですし、怖い映像は人体模型と白骨死体くらいしか出てきませんので、良い子のみんなでも安心して視聴できるテレビドラマだと思います。それに、何よりも、川井憲次さんの音楽が、格好良くって、つい注目してしまいます。
 実際はどんなに地味な鑑定や検査であっても、「タータララーラ タラッタタッ」という音楽をバックにして始まると、これは事件の解決に重要な作業がはじまるのだな、と視聴者は思ってしまうのです。こんなことを言っては主役の沢口靖子さんに失礼かもしれませんが、このドラマの本当の主役は、科捜研の○○鑑定や××検査だと言えます。それらのシーンを視聴せずして、ドラマ『科捜研の女』を語ることはできないと思うのです。
 このように『科捜研の女』で川井憲次さんの音楽に注目した私は、最近はNHKの大河ドラマ『花燃ゆ』のオープニングに流れる『花燃ゆ』のメインテーマにチューモークしています。映像のCGも、水墨画のような『にじみ』のあるカラー動画で、文字どおり華やかなのですが、それに負けない豪華さが川井憲次さんの音楽にはあると思いました。ドラマの中で流れる音楽も、従来の時代劇では聴いたこともないような感じがします。幕末という、明治維新に向けて近代化していく、日本の明るいイメージを表現しているようです。
 私の勘違いかもしれませんが、毎回ドラマのオープニングで聴く『花燃ゆ』のメインテーマのアレンジが微妙に変わっているような感じがします。あくまでも、それは私の勘違いかもしれません。ただ、それくらい、この曲の鮮度が良いということなのかもしれません。