私の本業 一年の計

 なぜか今年は、仕事を始める前のプレッシャーを私は感じていません。かつてサラリーマン時代の私は、仕事初めのこの時期は、よく緊張して、プレッシャーみたいなものを感じていました。が、最近の私は、すぐに仕事を始めようにも、様々な準備が必要です。本業を始める前に、いろいろと生活上もしくは仕事上でやることがあります。すぐには本業に入りません。幸か不幸かわかりませんが、仕事を始めることにいやな気分になることが少なくなりました。
 昨日の夜、長野県上田市に戻ってきました。今日は、作業上近くでお世話になっている86歳のお爺さんの田中さんの家に行って、新年の挨拶をしました。今年も田中さんといろいろ話しをしながら、去年の仕事の反省をし、今年の仕事の計画を相談しました。「一年の計は元旦にあり」と言いますが、今年一年の作物の栽培計画を決定するのが今日であったわけです。
 通常、請負の仕事は、お客様の都合に従うため、年間計画を明確に立てられません。しかし、農業経営では、年の初めに年間計画を立てておかないと、年間の収支を上手く出せないことが多いのです。途中、天候不順や労働力不足などの悪条件で、計画がうまく進まない場合でも、その対策または計画修正のために、もとの栽培計画を見直すことがあります。
 当然、最初の栽培計画には、これまでの栽培や出荷や売上の実績と経験に基づいて、実現可能な範囲の具体的な計画を立てます。例えば、きゅうりを5月初旬に苗を植えて、6月から9月まで収穫をする。とか、一坪あたり、きゅうりをどれだけ収穫して、いくら売り上げたいから、何坪きゅうりを栽培したらいいか、きゅうりの苗は何本必要か。とかを、あらかじめ計画として、現時点でわかる範囲で決めておきます。その時期がきたら、その計画に従って、もしくは、発生した問題を理由に計画を修正して、実際の作業に移ります。
 年間計画をできるだけ明確に立てておくことが、この仕事では重要です。はたから見たらば、この仕事は気ままで、そんなふうに見えないかもしれませんが、誰でもやってみればわかることです。自然を相手にしているのですから、予定通り上手く行かないのは当たり前のことです。しかし、無計画だったり、人間の心の気まぐれで作業をしても歯が立たないのが、自然というものなのです。少しでも、仕事としてまともな結果を残すためには、まともな考え方で、しっかりした計画を立てておくことが必要です。