私の本業 焚き火の作業

 昨日までその準備をしていたのですが、今日はやっと焚き火の作業を実行することができました。今日は、朝から青空で、いい天気でした。しかし、燃やす物が大量にあって、まる一日かかりました。焚き火なんて大したこと無い、と思う人のために説明したいと思います。
 まず、焚き火をする場所が民家の近くだと、大変なことになります。近くに住んでいる人から苦情が出たり、消防署に通報されたりします。運良くそうならなくても、火や灰の後始末が悪いと、近くの住居に火が燃え移ったりして、大変危険です。けれど、私が焚き火をする場所は、四方が道路と田畑に取り巻かれています。そのため、直接民家を火事にする危険は低いです。
 また、焚き火をする時間も夕方近くや夜にかけてだと、消防署から救急車がとんできて、救急救命士のヘルメットを被った人に、「すぐに火を消せ。」と厳重注意されます。あたりが暗くなると、火事や放火の火と区別がつかなくなります。ですから、焚き火はなるべく午前中の早い時刻から始めるよう、地元の消防署から指導されています。
 さらにまた、無断で焚き火をしては、いけません。少なくとも前日までに、焚き火をする時間と場所を、地元の消防署に連絡しておかなければなりません。面倒かもしれませんが、万が一のことを考えたら、この義務を怠ってはいけません。
 ところで、都会の感覚で、焚き火のイメージを思い浮かべると、ほうきで落葉をかき集めて火をつけて、手をかざして暖をとるような、小規模なものを想像します。が、農業の後片付けのための焚き火は、そんな小規模なものではありません。きゅうりの木やトマトの木の残渣(ざんさ)つまり残りカス、雑草や草木などの枝や枯れ草のゴミくずなどが、山のようにあります。それらを次々に、レイキやフォークなどの農具を使って、焚き火の上にのせていきます。どんどん燃やして、灰にしていきます。空気中の酸素と、枯れ枝などの有機物の燃焼は、想像以上に激しい化学反応です。あっという間に、燃え広がります。
 しかし、温度を上げてどんどん燃さないと、水分を含んでいる木などは燃え残ってしまいます。これらの有機物のゴミは、地面の上に放置しておくと、やがて腐って、病害虫の発生するもとになってしまいます。なるべく完全燃焼して灰にしてしまう必要があります。
 大きな焚き火で、炎や煙が高く立ち昇ります。そうした炎や煙に巻かれないように気をつけながら、自然から生じたゴミを片付けていきます。すべて灰になって、炎がおさまると、この作業は、表向き終わったかのように見えます。しかし、まだ気を抜くわけにはいきません。灰の中でくすぶっている炎や熱に水をかけて温度を下げ、消火しなくてはなりません。ちょっとばかし水をかけたくらいでは、消火できません。炎や煙が見えなくなるまで、何度もバケツの水をかけ続けます。
 このように、焚き火の作業は、結構手間がかかります。いくら働いても0円の仕事ではありますけれども、農作業の後片付け作業としては欠かすことのできない作業の一つです。