私の本業 熱中症の一歩手前で

 今日は夏至だそうです。一年のうちで一番、昼が夜より長い日であり、昼間の太陽が一番高い位置にあると言われています。
 しかも、今日は朝から晴天で、遠くの山までくっきりと見えるほど、青空が広がっていました。太陽からの日差しは強烈でしたが、風はそよ風程度の弱いものでした。
 農業用ビニールハウスの中での今日の作業は、私にとっても危険なものでした。キュウリの木や苗、トマトの苗などに普通のじょうろで水をやるだけでしたが、作業の途中で体の調子が急に悪くなりました。わき腹が痛くなりました。
 私はすぐに、これは熱中症の手前でないかと気がつきました。けれども、植物に水をやる作業を中断するわけにはいきません。そこで、日陰になっていた軽トラの乗車席に少しの時間だけ避難しました。そこでペットボトルに入れてきた水を少しずつ飲んで、水分を補給しました。顔に噴き出した汗を拭けるようにするために、タオルを首に巻くことにしました。
 灼熱の中で作業を続けていると、またもや体の調子が悪くなりました。ところが、思っても見なかったことから私は最悪の事態を免れました。
 灌水設備がそなえつけてあるキュウリの木に揚水ポンプで水を送っていたら、灌水パイプのつなぎ目が一部はずれてしまいました。それをあわててパイプをつなぎ直したら、水をかぶってしまいました。冷や汗をかいたのか、それとも冷や水を浴びたのか、私自身わからぬうちに、次の作業にとりかかっていました。屋外で鍬で溝を掘っていたら、汗が体中からダラダラと出てきました。すると、今まで体調が悪かったのが直って、わき腹の痛みも自然に消えて楽になりました。
 体調不良の原因がそれでわかりました。周りの温度上昇に私の体がついて来れず、汗をかくことができなかったためでした。汗のかき方が上手くいかなかったために、不要物が体内にたまってしまったようです。
 水をかぶって、びしょ濡れになったり、ダラダラと汗が体から出るのは、誰でも気分が悪いし気持ち悪いことです。が、結果として汗をかくことができて、熱中症にならなくて済んだことを思うと、その気分の悪さや気持ち悪さはムダではありませんでした。熱中症にかかれば、タダでは済みません。体の自由を奪われて救急車で運ばれる状態になるだけでなく、最悪命を奪われることにもなりかねません。
 もちろん今回私は大事をとって、予定の作業を終えて午後になったらば、アパートの一室に戻って、一休止することを忘れませんでした。無理な作業で蓄積したストレスをためておかないことが、ダメージを受けた体の早い回復には必要なのです。