路面の凍結に注意!!

 私は、雪国の生まれではないので、長野県へ来た当初は油断していました。そのため、雪が降った後の坂道を下ると車が滑ってしまい、ハンドルが制御不能になって幾度か危ない目に会いました。今時分の長野県上田市は、雪は降るもののそんなには積もらないのですが、夜中降って朝晴れて青空になっていても油断ができません。
 朝から放射冷却で空気が冷たくなっています。地面に落ちた雪はパウダースノー(粉雪)でさらさらして、太陽が射してもすぐには水になって流れてくれません。それがさらに凍結してアイスバーン(実は英語ではなくてドイツ語です。)になっています。そうなると、舗装した道路では太陽の熱で乾いてくるまで車が滑って危険です。家の影になっている道など、場所によっては一日中雪で白くなっているところがあって、人間が歩くだけでも滑ってしまうほどツルツルです。東京の下町で生まれ育った私は、道路の斜面が雪がちょっと降っただけで(本当は雪の降り際が滑りやすくて、一番危険なのだそうです。)摩擦力が減って、こんなにも物が滑るとは思っていませんでした。
 というわけで、ホワイトクリスマスだぁ、と昨日も今朝も浮かれている場合ではありませんでした。本当は、ビニールハウスの片付けがまだ全部終わっていないので、軽トラで現場の圃場(つまり、畑)へ行きたかったのですが、道路の状態を見るとスリップ事故の可能性があったので、何処にも行かず、アパートの部屋で大人しくしていることに決めました。
 年末ですし、忙しそうに車で移動している人もいるはずです。路面の凍結で車がスリップするのは、車が移動に便利なために、ついスピードを出してしまうからです。忙しい人ほど、危険なスピード(それでも本人は普段のスピードと思っているかもしれませんが)を出してしまいます。何が何でも出かけなければならない、というのでなければ、心に余裕を持って、ハンドルを握らない勇気が必要です。
 その代わり、私には、他にも今やらなければならないことがありました。部屋の大掃除はとても大変なので手につきません。けれども、JA直売所、JA営農センター(きゅうり部会、青壮年部)、上田市農政部、改良普及センター等々からこの一年間に通知された封書や書類を整理保管しないと、来年また新たな情報や資料を受け取らなければならなくなり、情報の整理がつかなくなります。情報や資料の内容は、農作物の栽培に関するノウハウや注意事項から、JA出荷や直売所出荷に関係する諸事項(きゅうりの形状規格など)や組織に関する規約にいたるまで、多岐にわたります。これほどの情報量を個人が関係機関から毎年受けていることを、この国の官僚さんはご存知なのでしょうか。昔のお百姓さんは、もっと気楽だったんじゃないかな、と思うことが私にはあります。
 さらに毎年私がこの時期にやっていることは、この一年の収支計算をやることです。サラリーマン時代の私は、自宅で生活していたので、会社から給与を頂いているだけで、給与が出されるまでのヤリクリに関してまったく知りませんでした。給与されたお金を銀行口座から引き出した後、その金額を私専用の小遣い帳に書きました。そして、買い物などで使った金額を記帳していただけでした。
 しかし、現在は農作物の売上げ額とそれにかかった経費コストを洗い出しています。お金を使ったのがどういう目的なのか、仕事に伴う経費コストなのか、食費なのか、小遣いとしてなのかを区別しています。また、どんな経費コストなのかを一年に一回、区分に従って集計します。これを一年に一回やることによって、個人的に役に立つ情報が得られます。こんなことを書くとすごく大変そうですが、一人で生活していると意外とこれが簡単にできます。私のことを心配している親にも、「こんな感じ。」と言いながら数字を見せて納得してもらっています。
 以上のことから、私は人一倍几帳面に見えるかもしれませんが、そうではありません。普通に買い物をして、その記録をつけているだけです。売上げが少なくても、その記録をつけているだけです。数字は判断の目安に使われます。でも、一人で生活している場合は、その数字が生活を不自由なものにしたりする原因にならないようにしています。おかげで一人で暮しているのに、かえって生活に緊張感があって、これから先も頑張らなきゃと思えてきます。