猫の日にうさぎ座を見る

 ここ2、3日間くらい、外で夕方まで作業をしていました。私が借りている畑の土に飛散していたり埋まっている被覆ビニールの破片や切れ端を拾ったり掘り起こしたりする、言わば手のかかる作業をしていました。ここのところ、私の地元では日中の天気が良くて、夕方近くになっても、寒さが少し緩んでいました。それで、久しぶりに夜空の星座を探してみることにしました。

 すると、こんなことにも気がつきました。22日あるいは23日の午後6時半頃の、日没後の西の空には、三日月に近い月と木星と金星がひと際、輝いて見えました。特に、23日には、月と木星と金星の位置が一直線上に並んでいたので、珍しいと思いました。

  私が夜空を見上げるのは、1ヶ月ぶりです。ここのところ朝晩の寒い日が続いていたので、夜空をそれほど頻繁に見ていたわけではありません。だから、2、3日前の日没後に見たオリオン座は、かなり高い所に来ていました。

 昨晩の23日は、東の夜空が厚い雲に覆われていました。なので、日没後の西の空に一直線に並んだ月と木星と金星を見て終わりにしました。しかし、一昨日の2月22日は、日没後も空に雲一つ無かったので、午後7時前でしたが、冬の星座の星々が見られて賑やかでした。

 特に私は、東京で生まれ育って、その半生の大部分を東京で暮していたために、オリオン座の三ツ星と、冬の大三角形を見て、「冬は東京の空気が清(す)んでいて、星がたくさん見える。」と思っていました。5歳の頃に一度だけ父親に連れられて、渋谷東急デパートの五島プラネタリウムに行きました。そこで、沢山の星のようなモノを見ました。けれども、都会の日常の現実では、ー1等星か1等星、あるいは、ぼんやりと見えるか見えないかの2等星しか信じられませんでした。

 それが何の因果か、今私が暮している地元では、普通に見て3等星まではっきり見えるので、その夜空を見上げるたびに驚愕(きょうがく)してしまいました。これはもう、ただ漫然と見ているだけでは、もったいない。地元の古本屋さんへ行って、星座を図解している本を探して買うことにしました。

 その本をあらかじめ見て読んでおき、天気のよい夜に空を見上げて、一つ一つの星のつながりが何の星座かを確認していきました。その本を頼りに星座が見つかると、何となくうれしくなりました。例えば、現在見えている冬の星座は、頭上から西の空に続いている、カシオペア座ペルセウス座アンドロメダ座などの秋によく見える星座に続いて東の夜空に上って来た星々でした。

 ぎょしゃ座やおうし座、オリオン座やおおいぬ座こいぬ座やふたご座等々、1等星を擁して2等星や3等星が形作る星座は、見ごたえがあります。すると、北東の空から北斗七星が上を向いて出てきていたことにも気がつきました。星と星をつなぐ、そんな中で、オリオン座のちょうど下の部分に、3等星から(ぼんやり見える)5等星で形作る星座が見えました。それが、うさぎ座です。2月22日の『猫の日』なのに、私はこのかた初めて、うさぎ座を見ることができました。今年は、うさぎ年なので、多少縁起が良いのかもしれません。それはたまたまですが、そのように私は思いました。