言葉は一人歩きをするもの

 これから私が書こうとしていることが、単なるデマに終わってくれると嬉しいのですが、日々変わる状況を目の当たりにしているとそうとも言えないような気がします。とにかく先手を打って、藁(わら)をもすがりたい、という気持ちもよくわかります。いろんな方々の意見として、手遅れにならないよう、早く『緊急事態宣言』が出ないと安心できない、という気持ちもよくわかります。そうした意見に面と向かって反論するつもりは、私にはありません。ただ、それならばそれなりの覚悟を今のうちにしておいた方がよろしいかと思います。

 この切り札は、確かに実感を伴わない机上の考えでは、大したことが無いと思っている人が多いと思います。何ができるか、言葉の上で追う限りにおいては、「要請」や「指示」であって「強制」や「命令」でないので、大したことが無いとほとんどの日本国民が思っていると思います。しかし、このことは私の考えでは、『戦後日本の平和ボケ』ではないかと見ています。いくら世の中が民主化されたからといって、『国家権力』を甘く見てはいけません。『緊急事態宣言』が発令されれば、国民生活や国民経済に国家権力が介入するわけです。当然、そのことで日本国民は一時的には安心すると思われます。医療現場にも、街中にも、警察官や自衛隊員が人命救助を目的として、無条件でその職務を果たせるようになるので、これほど安心なことはないかもしれません。

 すなわち、『緊急事態宣言』発令後に、私たち日本国民に直接「要請」や「指示」をするのは、テレビの向こうの安倍首相でもなければ小池知事でもなく、目の前にいる警察官や自衛隊員だと、私は想像しています。それは、いかめしい防護服に身を包んだ相手かもしれないし、ガタガタ文句を言ったら手荒(てあら)に扱われる相手かもしれません。そんなことは脅しに過ぎないと思われるかもしれませんが、一応、今のうちに(ご自身の命を守るために)心の準備をしておいてください。